【ウェブ解析】戦略立案に必要なビジネスフレームワーク8選

はじめに

どうも、NNCの石上です。現在ウェブ解析士の資格を取得するべく勉強中なのですが、その復習・確認を兼ねてこれまでに学習した内容を記事にしたいと思います。今までの技術系の記事とは、少し毛色が異なることをご理解ください。

ウェブ解析にはマーケティングの知識が不可欠

「ウェブ解析士」には「マーケティングの知識を携えて解析データを読み解き、それらを踏まえて戦略を立案する」という役割が求められます。アクセス解析のツールを操作して諸々データを収集して終了…という訳にはいかず、それらを企業戦略に活かすためデジタルマーケティングの知識も必要になるのです。

今回は、そのデジタルマーケティングにおける思考方法やビジネスフレームワーク(=分析や戦略立案のための枠組みを指します)の方に注目していきたいと思います。よって、ウェブと言うよりもマーケティングに寄った話になるかと思います。

事業を取り巻く環境を分析する

事業で成果を出すためには、その事業の環境分析が必要となります。その際、分析のステップとして「外部環境分析」「内部環境分析」「市場機会の発見」「差別化の特定」「市場への展開」の5段階に分けることができます。それぞれのステップごとに異なるフレームワークが利用されますので、順番に見ていきたいと思います。

ステップその1「外部環境分析」

外部環境とは、文字通り自社ではコントロールできない影響要因を指します。この外部環境を分析するために、「PEST分析」「5フォース分析」という2つのビジネスフレームワークがあります。

PEST分析

PEST分析では、以下の4つの視点から外部環境を分析します。この際、自社事業に深く関係したトピックだけに注目しないと、膨大な情報量になってしまうので注意が必要です。

Politics 政治的要因:法規制や税制、諸外国との関係変化や政府自治体の動向
Economy 経済的要因:補助金や助成金の影響、景気や為替など
Society 社会的要因:コロナ禍におけるライフスタイルの変化、少子高齢化のような人口動態
Technology 技術的要因:特許や、5Gの普及に代表される新技術開発など

5フォース分析

5フォース分析では、市場における「競合他社」「買い手」「売り手」「代替品」「新規参入」のそれぞれの力がどれほど影響するのかを分析します。

競合他社:対象事業の競合他社の数・強さを洗い出し、競走要因を明らかにします。
買い手:直接の顧客を指します。買い手の交渉力が大きくなると、値下げ競争が始まります。
売り手:事業に必要な資源を供給する企業を指します。売り手側が少数だと交渉力が強まり、自社の利益を圧迫します。
代替品:事業の製品・サービスの代わりになる可能性のあるものを指します。
新規参入:同じような製品・サービスが業界に参入することを指します。公的な規制や流通チャネル、知名度などが参入障壁となり得ます。

ステップその2「内部環境分析」

自社の事業については「3C分析」と用いると良いでしょう。

3C分析

「顧客 Customer」「競合 Competitor」「自社 Corporation」の3つに注目して事業領域を分析します。その際、分析の順番はここで記述した通りに行います。マーケティングにおいて、まず顧客目線になることが最重要であり、その次に競合他社の活動を分析し、それらを踏まえて自社の活動を分析・決定していく必要があるのです。

顧客:対象事業のターゲット。年齢・居住地・収入等の「デモグラフィック情報」と、商品を探す状況や心理状態の「サイコグラフィック情報」を分析します。

競合:対象事業の競合他社。自社と同じ製品・サービスで戦う「直接競合」と、自社とは別の方法で戦う「間接競合」の2種類があります。競合を決める際は顧客目線で考える必要があります。

自社:自社の強み・弱み・資源を分析します。アンケートやインタビューで、競合他社との比較ポイントを尋ねることも有効です。

ステップその3「市場機会の発見」

ここでは、「SWOT分析」と「クロスSWOT分析」によって、自社の強みと弱みを把握した上で戦略を策定していきます。

SWOT分析

「強み Strengths」「弱み Weaknesses」「機会 Opportunities」「脅威 Threats」の頭文字を取った名称です。2つの内部要因と2つの外部要因を、ここで整理・把握しましょう。(情報量が膨大になりがちなので、自社の目標やターゲットを定め、関係のあるものから分析します)

強み:競合に対して差別化が可能で、ユーザーのニーズを満たせる内部要因を指します。技術力、研究開発力、営業力等が該当します。

弱み:競合に対して劣っていて、ユーザーのニーズを満たせない内部要因を指します。リソースの不足やコストなど、苦手とする部分を洗い出しましょう。

機会:事業の成長の機会と考えられる外部要因を指します。政治や経済や社会をはじめとして、買い手売り手の動きなど、自社にとって追い風になり得る要因をできるだけ多く洗い出します。

脅威:事業の成長の障害と考えられる外部要因を指します。自社の強みを打ち消す危険性、弱みが深刻になる環境など、こちらもできるだけ多く洗い出します。

クロスSWOT分析

SWOT分析で状況の整理を行なった後は、「クロスSWOT分析」で戦略を策定します。

機会 O脅威 T
強み SSO戦略
自社の強みを、追い風に乗って活かす方法を検討します。
ST戦略
自社の強みで脅威の影響を避ける方法、もしくは脅威を逆手に取る方法を検討します。
弱み WWO戦略
機会を活かすため、自社の弱みを補強する方法を検討します。他業界への新規参入も視野に入れます。
WT戦略
自社の弱みを理解して脅威によるダメージを避ける、もしくは最小限にする方法を検討します。事業そのものの撤退も視野に入れます。

ステップその4「差別化の特定」

STP分析

「セグメンテーション Segmentation」「ターゲティング Targeting」「ポジショニング Positioning」の頭文字を取った名称。市場の全体像を把握して細分化し、ターゲットがいる市場を定め、独自性のあるポジションを明確にする方法です。

このSTP分析を効果的に進めるために、さらに「6R」と呼ばれるフレームワークが存在します。

・十分な規模 Realistic scale
・成長性 Rate of growth
・競合状況 Rival
・優先順位 Rank
・到達可能性 Reach
・測定可能性 Response

ステップその5「市場への展開」

最後の段階に来ました。ここでは、売り手視点の「4P分析」、ユーザー視点の「4C分析」を紹介します。

4P分析

製品・サービスを構成する「製品 Product」「価格 Price」「流通 Place」「販売促進 Promotion」4つの要素を売り手視点で分析します。

製品:製品の特性は、ニーズを満たすための根本の機能・スタイルやパッケージ等の形態・アフターサービスや保証等の付随機能から構成されます。

価格:コスト・カスタマーバリュー・競合比較で分析します。

流通:販売する場所を選びます。販売するバリューチェーンの長さ・エリア・代理店など、パートナー企業の観点で分析します。

販売促進:広告・人的セールス(営業)・パブリシティ・口コミなどを分析します。パブリシティとは、商品やサービス提供者側が発信した情報をメディアに取り上げてもらうことです。

4C分析

4Pが提供側視点なのに対して、4Cはユーザー側の視点になります。「ユーザーが得る価値 Customer Value」「ユーザーの負担コスト Cost to the Customer」「ユーザーにとっての利便性 Convenience」「ユーザーとのコミュニケーション Communication」で分析します。

ユーザーが得る価値:製品・サービスの機能でユーザーが得られる価値が高ければ、選ばれる可能性も高くなります。

ユーザーの負担コスト:金銭に加えて、時間的・心理的コストが含まれます。

ユーザーにとっての利便性:製品・サービス自体の使いやすさには、決済や配送の利便性も含まれます。

ユーザーとのコミュニケーション:ユーザーが事業と関わりを持ったタッチポイントを確認します。

最後に

代表的なビジネスフレームワークを一通り紹介してきました。これらは、クライアントとの共通言語になり得るだけでなく、課題や解決策の整理・発見を効率的に進めることも可能にしてくれます。

ここで紹介した分析方法を用いることで、収集したデータを更に効果的に利用することが出来るようになります。

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